2022(2023)杭州アジア競技大会・種目別決勝つり輪、鄒敬園(ゾウ・ジンユェン)選手(中国)の演技です。

技順グループ
技と技の内容(通称など)難度
1ヤン・ミンヨン(後転上水平支持)
後方伸腕伸身逆上がり上水平支持
E
2背面水平懸垂A
3

背面水平懸垂から引き上げ中水平支持
後ろ振り上がり十字倒立が難度不認定
F

4屈身ヤマワキ:前方屈身2回宙返り懸垂=ジョナサンD
5ヤマワキ:前方かかえ込み2回宙返り懸垂C
6後ろ振り上がり中水平支持
E
7
後ろ振り上がり上水平支持D
8ナカヤマ十字懸垂:背面水平懸垂経過十字懸垂D
9後ろ振り上がり倒立C
10後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り:(かかえ込み新月面宙返り下り) E
Dスコア:6.0(F1 E3 D3 C2 A1)
Eスコア:8.200
得点:14.200
パリ五輪へ向けた6.5の構成に挑戦したのことですが、後ろ振り上がり十字倒立が静止できずに難度不認定となりました。
問題は2番目に実施した「背面水平懸垂から引き上げ中水平支持」です。
この技は「背面水平懸垂(2秒静止)」の時点でA難度が発生しグループⅡの技として認定されます。
したがってグループⅡとⅢの力技の連続は3回までというルールに抵触します。
つまり「後ろ振り上がり十字倒立」は4連続目の力技ということになり、成功しても失敗しても難度は認められないということになります。
同じ中国の蘭星宇(ラン・シンイー)選手も同じ技を実施していて、しっかりと「ジョナサン(屈身ヤマワキ)」で力技の連続を切っているため、中国の首脳陣がこのルールを知らないわけはないので、なぜこの構成を試したのか正直よくわかりません。

鄒敬園選手は2023中国選手権の団体決勝のあん馬で6.5を実施し、今回のつり輪でも6.5を組む可能性を示唆していることが判明し、パリ五輪までにこの2種目のDスコアアップは確実と言っていいと思います。
パリ五輪の種目別決勝では平行棒だけでなくあん馬とつり輪でも金メダルを狙いに行くプランがあるのかも知れません。