2022リバプール世界選手権の鄒敬園(ゾウ・ジンユェン)選手(中国)の平行棒の演技を振り返ってみるという記事です。

■予選

技順グループ
技と技の内容(通称など)難度
1マクーツ
前振り片腕支持3/4ひねり単棒横向き倒立経過、
軸手を換えて後ろ振り片腕支持3/4ひねり支持
E
2リチャード:(アームディアミドフ)
前振り(腕支持)上がり片腕支持1回ひねり倒立
E
3後方車輪倒立:ケンモツC
4
棒下宙返り1/2ひねり倒立
E
5棒下宙返り倒立D
6ササキ:前方開脚5/4宙返り開脚抜き直接懸垂E
7バブサー
倒立から振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き、伸身かつ水平位で懸垂
E
8
ティッペルト
倒立から伸膝で振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き倒立
D
9ヒーリー:後ろ振り片腕支持1回ひねり支持D
10前方かかえ込み2回宙返り1/2ひねり下りE
Dスコア:6.5(E6 D3 C1)
Eスコア:9.200
得点:15.700
「棒下宙返り1/2ひねり倒立」のキレが戻っているように見えます。
まさかの「ティッペルト」の復活にはとても驚きました。

■団体決勝

技順グループ
技と技の内容(通称など)難度
1マクーツ
前振り片腕支持3/4ひねり単棒横向き倒立経過、
軸手を換えて後ろ振り片腕支持3/4ひねり支持
E
2リチャード:(アームディアミドフ)
前振り(腕支持)上がり片腕支持1回ひねり倒立
E
3後方車輪倒立:ケンモツC
4
棒下宙返り1/2ひねり倒立
E
5棒下宙返り倒立D
6ササキ:前方開脚5/4宙返り開脚抜き直接懸垂E
7バブサー
倒立から振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き、伸身かつ水平位で懸垂
E
8
ティッペルト
倒立から伸膝で振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き倒立
D
9ヒーリー:後ろ振り片腕支持1回ひねり支持D
10前方かかえ込み2回宙返り1/2ひねり下りE
Dスコア:6.5(E6 D3 C1)
Eスコア:9.266
得点:15.766
注目はリチャードの捌き方です。
予選では右腕の肘を曲げて体に近い位置で回している従来の実施でした。
この実施方法だとスピードが出すぎて制御が甘く右腕でバーを掴んだあともひねりが続いているように見えます。
しかし団体決勝からは右腕を伸ばした捌き方になり、ひねりのスピードが緩やかになりしっかりコントロールして良い位置でひねりが終わり倒立にはまっています。
鄒敬園選手の平行棒へのこだわり、より完璧な実施を目指す姿勢が見えるように思います。

■種目別決勝

技順グループ
技と技の内容(通称など)難度
1ツォラキディス:(アームマクーツ)
前振り(腕支持)上がり片腕支持3/4ひねり単棒横向き倒立経過、
軸手を換えて後ろ振り片腕支持3/4ひねり支持
G
2マクーツ
前振り片腕支持3/4ひねり単棒横向き倒立経過、
軸手を換えて後ろ振り片腕支持3/4ひねり支持
E
3リチャード:(アームディアミドフ)
前振り(腕支持)上がり片腕支持1回ひねり倒立
E
4
後方車輪倒立:ケンモツ
棒下宙返り1/2ひねり倒立
C
E
5棒下宙返り倒立D
6ササキ:前方開脚5/4宙返り開脚抜き直接懸垂E
7バブサー
倒立から振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き、伸身かつ水平位で懸垂
E
8
ティッペルト
倒立から伸膝で振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き倒立
D
9ヒーリー:後ろ振り片腕支持1回ひねり支持D
10前方かかえ込み2回宙返り1/2ひねり下りE
Dスコア:6.9(G1 F1 E4 D4)
Eスコア:9.266
得点:16.166
中国選手権の予選で2度落下のあった「ツォラキディス」を完璧に決めました。
2019年にティッペルトで落下して以来となるフル構成の6.9をまとめて金メダルに輝きました。