2014世界選手権・団体決勝、2位の内村航平選手の演技です。
内村航平選手は平行棒を除く5種目を演技しました。
■ゆか

技順グループ
技と技の内容(通称など)難度組み合わせ加点

1


ロンダート~
後方伸身宙返り1回半ひねり

C

2
+前方伸身宙返り2回半ひねりE0.1
3前方かかえ込み宙返り1回ひねりC
4+前方伸身宙返り2回ひねりD0.1
5
ロンダート~後転とび~
後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり:(かかえ込み新月面宙返り)

E

6
ロンダート~後転とび~
後方伸身宙返り2回半ひねり

D

7+前方伸身宙返り1回半ひねりC0.1
8フェドルチェンコ:下向き(ロシアン)1080°転向
C
9
ロンダート~後転とび~
トーマス転:後ろび1回半ひねり前方かかえ込み宙返り転

D

10
ロンダート~後転とび~
後方伸身宙返り3回ひねり

D

Dスコア:6.6(E2 D4 C4 CV:0.3)
Eスコア:9.100
得点:15.700
最初の「後方伸身宙返り1回半ひねり(C)~前方伸身宙返り2回半ひねり(E)」とラストの「後方伸身宙返り3回ひねり(D)」以外の着地をピタリと決める素晴らしい実施でEスコア9.100をマークし15.700の高得点を叩き出しました。

■あん馬

技順グループ
技と技の内容(通称など)難度
1逆交差(セア)倒立:逆交差1/4ひねり1ポメル上倒立経過、下ろして逆交差入れ支持
D
2両ポメル上での横向き旋回
A
31ポメル上での縦向き旋回:縦横ループ
B
4E難度のフロップ:1ポメル上で4フロップ
横横でシュテクリB→横縦ループ→縦横ループ→横横でシュテクリB
E
5D難度のコンバイン:1ポメル上で2フロップから下向き(ロシアン)180°転向
横縦ループ→縦横ループ→下向き(ロシアン)180°転向
D
6ロス:下向き(ロシアン)360°転向3/3部分移動D
7ウ・グォニアン:下向き(ロシアン)720°転向3/3部分移動E
8
マジャール移動:縦向き旋回前移動3/3部分
1馬端~2ポメル~3あん部馬背~4ポメル~5馬端
D
9シバド移動:縦向き旋回後ろ移動3/3部分
1馬端~2ポメル~3あん部馬背~4ポメル~5馬端
D
10dsA(ダイレクトシュテクリA)倒立3/4(270°)ひねり3/3部分移動下りD
Dスコア:6.2(E2 D6 B1 A1)
Eスコア:9.066
得点:15.266
素晴らしい演技で会心のガッツポーズを見せてくれました。

■つり輪

技順グループ
技と技の内容(通称など)難度
1
け上がり支持~
中水平支持:け上がり中水平支持
A
D
2後方伸腕伸身逆上がり(後転)十字懸垂:アザリアンD
3ヤマワキ:前方かかえ込み2回宙返り懸垂
C
4後ろ振り上がり中水平支持
E
5後ろ振り上がり十字倒立
D
6後ろ振り上がり倒立C
7屈身ヤマワキ:前方屈身2回宙返り懸垂=ジョナサン
D
8ホンマ十字懸垂:輪の高さで前方屈身宙返り直接十字懸垂
D
9ほん転逆上がり倒立
C
10
後方車輪(ほん転逆上がり)倒立経過
後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り:(かかえ込み新月面宙返り下り)
B
E
Dスコア:6.4(E2 D5 C3)
Eスコア:8.433
得点:14.833
素晴らしい演技に見えますがEスコアは8.433と伸びません。
「ヤマワキ(C)」からの「後ろ振り上がり中水平支持(E)」の姿勢が少し下がってしまっているようにも見えますので、そこで減点されているのかも知れません。

■跳馬

ヨー2(前転跳び前方伸身宙返り2回半ひねり) 
Dスコア:6.0
Eスコア:9.400
得点:15.400

■鉄棒

技順グループ
技と技の内容(通称など)難度組み合わせ加点
1カッシーナ(伸身コールマン)
バーを越えながら、後方伸身2回宙返り1回ひねり懸垂
G
2シュタルダーとび1回半ひねり片大逆手
後方開脚浮腰回転倒立とび1回半ひねり片大逆手
D
3アドラー1/2ひねり倒立:前方浮腰回転振り出し1/2ひねり倒立D
4+コールマン:バーを越えながら、後方かかえ込み2回宙返り1回ひねり懸垂F0.1
5後方とび車輪1回半ひねり片大逆手
C

6アドラー1回ひねり片逆手倒立
前方浮腰回転振り出し1回ひねり片逆手倒立
D
7+ヤマワキ(伸身コスミック)
後ろ振り上がり伸身閉脚とび越し1/2ひねり懸垂
D0.1
8エンドー:前方開脚浮腰回転倒立B
9クースト:後方とび車輪1回ひねり(ホップターン)C
10後方伸身2回宙返り2回ひねり下り:ワタナベ(伸身新月面宙返り下り)
E
Dスコア:6.9(G1 F1 E1 D4 C2 B1 CV:0.2)
Eスコア:8.500
得点:15.400
団体金へ王手をかけた場面で最高の演技を実施し、着地を止めて採点が厳しくなった今大会の鉄棒としてはとても高いEスコア8.500を出しました。
テレビ観戦していて「ついに内村航平選手が団体金を手にした!」と歓喜しましたが、結果は中国の張成龍(チャン・チェンロン)選手も素晴らしい演技を実施し、0.1の差で日本は銀メダルとなりました。

今大会では日本は中国をかなり追い詰めたと言えます。
中国は元々世界最高値のDスコアを有していましたが、ここからリオ五輪までさらに難度を上げ続け結果としてDスコアとEスコアのバランスを崩し、2015世界選手権・2016リオ五輪と連続で団体3位となります。

2014年に地元開催での中国をここまで追い詰めたこと、さらに内村航平選手が美しい体操のままDスコアを上げたことが中国にとってはかなりのプレッシャーとなり、それらが積み重なったことで中国は自分を見失いDスコアとEスコアのバランス崩壊が起こったのではないかと思っています。
ですのでこの団体決勝がリオ団体金への分岐点だったのではないかと思っています。