2012ロンドン五輪・予選、個人総合9位の内村航平選手の演技です。
■鉄棒:動画が埋め込み再生できないのでこちらから。
技順グループ
技と技の内容(通称など)難度組み合わせ加点
1アドラー1/2ひねり倒立
前方浮腰回転振り出し1/2ひねり倒立
D
2+伸身トカチェフ:懸垂前振り伸身背面とび越し懸垂
D0.2
3カッシーナ(伸身コールマン)
バーを越えながら、後方伸身2回宙返り1回ひねり懸垂
G
4シュタルダーとび1回半ひねり片大逆手
後方開脚浮腰回転倒立とび1回半ひねり片大逆手
D
5アドラー1回ひねり片逆手倒立
前方浮腰回転振り出し1回ひねり片逆手倒立
D
6+ヤマワキ(伸身コスミック)
後ろ振り上がり伸身閉脚とび越し1/2ひねり懸垂
D0.2
7エンドー:前方開脚浮腰回転倒立B
8コールマン ※落下後やり直し
バーを越えながら、後方かかえ込み2回宙返り1回ひねり懸垂
F
9クースト:後方とび車輪1回ひねり(ホップターン)
C
10後方伸身2回宙返り2回ひねり下り:ワタナベ(伸身新月面宙返り下り)E
Dスコア:7.2(G1 F1 E1 D5 C1 B1 CV:0.4)
Eスコア:7.800
得点:15.000
ロンドン五輪の初演技から波乱の展開でした。
2011世界選手権・種目別決勝から「後方とび車輪1回半ひねり片大逆手(C)」を抜いたロンドン用の演技構成。
おそらくコールマンをカッシーナのタイミングで出てしまい落下してしまいました。
落下後はやり直して成功させ落下したにも関わらず15.000の高得点をマークしました。

■ゆか:動画が埋め込み再生できないのでこちらから。
技順グループ
技と技の内容(通称など)難度組み合わせ加点

1


ロンダート~後転とび~
後方伸身宙返り3回半ひねり:ゴンザレス
+前方宙返り1/2ひねり

E
B


0.1
2

ロンダート~
後方伸身宙返り1回半ひねり

C

3+前方伸身宙返り2回半ひねり
E
0.1
4前方かかえ込み宙返り1回ひねり
C
5+前方伸身宙返り2回ひねりD0.1
6
ロンダート~後転とび~
後方伸身宙返り2回半ひねり

D

7+前方伸身宙返り1回半ひねりC0.1
8フェドルチェンコ:下向き(ロシアン)1080°転向
C
9
ロンダート~後転とび~
トーマス転:後ろび1回半ひねり前方かかえ込み宙返り転

D

10
ロンダート~後転とび~
後方伸身宙返り3回ひねり

D

Dスコア:6.7(E2 D4 C4 CV:0.4)
Eスコア:9.066
得点:15.766
冒頭に「後方伸身宙返り3回半ひねり~前方宙返り1/2ひねり」を新たに実施し、「後方伸身宙返り1回半ひねり」の組み合わせを「前方伸身宙返り2回半ひねり」に変えてDスコア6.7のロンドン用の構成で来ました。
鉄棒の落下の影響はまったく見られず全体2位の15.766で種目別決勝進出を決めました。

■あん馬:動画が埋め込み再生できないのでこちらから。
技順グループ
技と技の内容(通称など)難度
1逆交差(セア)倒立:逆交差1/4ひねり1ポメル上倒立経過、下ろして逆交差入れ支持
D
2
dsB(ダイレクトシュテクリB)
1ポメル上での縦向き旋回:縦横ループ ※成立後落下
B
B
3E難度のフロップ:1ポメル上で4フロップ
横横でシュテクリB→横縦ループ→縦横ループ→横横でシュテクリB
D
4D難度のコンバイン:1ポメル上で2フロップから下向き(ロシアン)180°転向
横縦ループ→縦横ループ→下向き(ロシアン)180°転向
D
5ロス:下向き(ロシアン)360°転向3/3部分移動E
6ウ・グォニアン:下向き(ロシアン)720°転向3/3部分移動D
7マジャール移動:縦向き旋回前移動3/3部分
1馬端~2ポメル~3あん部馬背~4ポメル~5馬端
D
8シバド移動:縦向き旋回後ろ移動3/3部分
1馬端~2ポメル~3あん部馬背~4ポメル~5馬端
D
9

縦向き旋回前移動1/3部分
1ポメル上での縦向き旋回:縦横ループ ※2の繰り返しなので難度不認定
縦向き旋回後ろ移動2/3部分
A
B
B
10
終末技が難度不認定-
Dスコア:5.4(E2 D5 B2+グループ得点2.0)
Eスコア:7.066
得点:12.466
E難度のフロップで落下後やり直して成功させます。
D難度のコンバインでも旋回が乱れて危ない実施が続くもののなんとか堪えたように見えましたが、下り技でdsA(ダイレクトシュテクリA)倒立が倒立まで上がらずに難度不認定になりました。
本来であればグループ得点2.5が得られますが、下り技で失敗してしまったので2.0になってしまいました。

■つり輪:動画が埋め込み再生できないのでこちらから。
技順グループ
技と技の内容(通称など)難度
1後ろ振り上がり中水平支持
E
2後方伸腕伸身逆上がり(後転)脚前挙十字懸垂:アザリアン脚前挙十字懸垂
D
3脚前挙十字懸垂から伸腕伸身中水平支持E
4後ろ振り上がり十字倒立
D
5後ろ振り上がり倒立
C
6屈身ヤマワキ:前方屈身2回宙返り懸垂=ジョナサン
D
7ヤマワキ:前方かかえ込み2回宙返り懸垂
C
8ホンマ十字懸垂:輪の高さで前方屈身宙返り直接十字懸垂
D

9

ほん転逆上がり倒立
後方車輪(ほん転逆上がり)倒立経過
C
B
10後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り:(かかえ込み新月面宙返り下り)E
Dスコア:6.5(E3 D4 C3)
Eスコア:8.466
得点:14.966
とても良い実施に見えますが得点が伸び悩みます。
個人的な意見ですが「アザリアン脚前挙十字懸垂」の十字懸垂の持ち込み時に肩の高さが45°を超えているため大欠点で0.5の減点さらに難度不認定となり、「後方伸腕伸身逆上がり支持(A)」と「脚前挙十字懸垂(B)」に分割されてもおかしくない実施になっているように見えます。
しかし難度認定はされているのでおそらく中欠点の0.3引かれて、その影響がEスコアに反映されているのかも知れません。

■跳馬:動画が埋め込み再生できないのでこちらから。
シューフェルト(伸身ユルチェンコ跳び2回半ひねり=ロンダートから後転跳び後方伸身宙返り2回半ひねり)
Dスコア:6.6
Eスコア:9.533
ライン減点:0.1
得点:16.033
内村航平選手のシューフェルトとしては珍しく横にずれた実施となりましたが着地はピタリと止めました。

■平行棒:動画が埋め込み再生できないのでこちらから。
技順グループ
技と技の内容(通称など)難度
1前振り(腕支持)上がり開脚抜き倒立
B
2棒下宙返り1/2ひねり倒立
E
3棒下宙返り倒立
D
4後方車輪倒立:ケンモツ
C
5ドミトリエンコ:前振り(腕支持)上がり後方かかえ込み2回宙返り腕支持
(腕支持からのモリスエ=アームモリスエ)
E
6
屈身ベーレ:懸垂前振り(後方車輪)後方屈身2回宙返り腕支持
E
7モリスエ:棒上後方かかえ込み2回宙返り腕支持D
8後方車輪から後方かかえ込み宙返り1/2ひねり腕支持:(車輪ライヘルト)D
9前方開脚5/4宙返り開脚抜き腕支持:(爆弾カット)D
10後方屈身2回宙返り下りD
Dスコア:6.5(E3 D5 C1 B1)
Eスコア:9.033
得点:15.533
着地まで素晴らしい実施でEスコア9点台に乗せました。

合計Dスコア:38.9(ゆか6.7、あん馬5.4、つり輪6.5、跳馬6.6、平行棒6.5、鉄棒7.2)
合計Eスコア:50.964
減点:0.1
合計得点:89.764
圧倒的な美しい体操で前人未到の世界選手権個人総合3連覇を達成した2011世界選手権・個人総合決勝からゆかで0.2、鉄棒で0.5の計0.7も上げた39.8をロンドンの団体用兼個人総合用として実施する予定だったのだと思います。
内村航平選手が魔物と称したロンドン五輪ですがその予選は団体5位、個人総合9位とまったく予想できなかった波乱の幕開けとなりました。