2018ワールドカップ・ドーハ大会:種目別決勝、鄒敬園(ツォウ・ジンユアン)選手(中国)のあん馬・つり輪・平行棒の演技です。
内村航平選手曰く「かなり凄いヤツ」こと鄒敬園(ツォウ・ジンユアン)選手が世界選手権代表に入ったら演技すると予測される3種目を見て行きましょう。

■あん馬:1位

技順グループ

技と技の内容(通称など)難度
1横向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で):(横向きシュピンデル)
D
2トン・フェイ:縦向き~縦向き支持※
下向き正転向移動(馬端から両ポメルを越えて下向き(ロシアン)180°転向 )
D
3マジャール・シュピンデル
馬端中向き、縦向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)
D
4馬端馬背下向き(ロシアン)1080°転向
D
5Eフロップ:1ポメル上で4フロップ
縦縦ループ(縦向き旋回前移動1/3部分)→縦横ループ→シュテクリB→シュテクリB
E
6逆交差1/4ひねり1ポメル上倒立経過、反対の腕で下ろして逆交差入れ支持:逆交差(セア)倒立D
7Dコンバイン:1ポメル上で2フロップから下向き(ロシアン)180°転向
縦縦ループ→縦横ループ→下向き(ロシアン)180°転向
D
8マジャール移動:縦向き旋回前移動3/3部分(1馬端~2ポメル~3あん部馬背~4ポメル~5馬端)
D
9シバド移動:縦向き旋回後ろ移動3/3部分(1馬端~2ポメル~3あん部馬背~4ポメル~5馬端)
D
101ポメル上縦向き旋回(縦横ループ)倒立3/4(270°)ひねり3/3部分移動下り
D
Dスコア:6.1(E1 D9)
Eスコア:9.000
得点:15.100
※このトン・フェイの実施はいわゆるCトン・フェイ(馬端から両ポメルを越えて下向き(ロシアン)180°転向)でルール改正時に削除された技ですが、次の技につなげればD難度という扱いになります。

ジュニアの頃には息切れを感じることもあったのですが、現在は6.1の構成を腰の位置が高くて切れのある素晴らしい旋回で実施しています。

■つり輪:3位

技順グループ
技と技の内容(通称など)難度
1ゆっくりと後方伸腕伸身逆上がり中水平支持:(後転中水平支持)
F
2後ろ振り上がり十字倒立D
3ジョナサン(屈身ヤマワキ):前方屈身2回宙返り懸垂
D
4後ろ振り上がり十字懸垂
C
5後ろ振り上がり上水平支持
D
6ナカヤマ十字懸垂:背面水平懸垂経過十字懸垂
D
7ヤマワキ:前方かかえ込み2回宙返り懸垂
C
8後ろ振り上がり中水平支持E
9後ろ振り上がり倒立C
10
後方車輪(ほん転逆上がり)倒立経過
後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り:(新月面宙返り下り)
B
E
Dスコア:6.1(F1 E2 D4 C3)
Eスコア:8.866
得点:14.966
気になるのは後転中水平の持ち込みくらいでしょうか。
静止時間も十分にアピールして、下り技も余裕があります。

■平行棒:1位

技順グループ
技と技の内容(通称など)難度
1ツォラキディス
前振り(腕支持)上がり片腕支持3/4ひねり単棒横向き倒立経過、
軸手を換えて後ろ振り片腕支持3/4ひねり支持(アームマクーツ)
G
2マクーツ
前振り片腕支持3/4ひねり単棒横向き倒立経過、
軸手を換えて後ろ振り片腕支持3/4ひねり支持
E
3リチャード(アームディアミドフ):前振り(腕支持)上がり片腕支持1回ひねり倒立E
4
後方車輪倒立:ケンモツ
棒下宙返り1/2ひねり倒立
C
E
5
棒下宙返り倒立
D
6ササキ:前方開脚5/4宙返り開脚抜き直接懸垂E
7バブサー
倒立から振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き、伸身かつ水平位で懸垂
E
8
ティッペルト:倒立から伸膝で振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き倒立
D
9ヒーリー:後ろ振り片腕支持1回ひねり支持D
10前方かかえ込み2回宙返り1/2ひねり下りF
Dスコア:7.0(G1 F1 E5 D3)
Eスコア:9.200
得点:16.200
現在の平行棒の最高Dスコア7.0の演技構成を無理なくスムーズに余裕を持って実施します。
棒下宙返り1/2ひねり倒立が倒立に上手くはまらなかったところとバブサーの前に倒立が反ってしまったところ以外は文句なしの素晴らしい実施だと思います。
個人的には前方かかえ込み2回宙返り1/2ひねり下りでしっかりと脚を閉じているのがとても好きです。

私が鄒敬園(ツォウ・ジンユアン)選手を初めて見たのは2015淄博ジュニア中国選手権・団体決勝での演技で当時は「ジュニアでゆかの前方伸身宙返り3回ひねりしてる選手がいる!」ととてもテンションが上がって他の種目を見てみたら「あん馬の旋回の質が高い」、「平行棒の棒下系の捌きが凄い」、「鉄棒の伸身新月面の開きが凄い」など驚かされるばかりでしたが、まさか3年足らずでここまで日本を脅かす存在になるとは思いませんでした。

質の高い美しい体操をする選手で、高いDスコアに加えて実施もよくEスコアも高く出るという近年の中国選手としてはいい意味で珍しいタイプの選手です。
今年の世界選手権でどのような活躍を見せてくれるのか、とても楽しみです。

2016年10月に投稿されたインスタグラムの動画では、跳馬の「ロペスハーフ(6.0:伸身カサマツ跳び2回半ひねり)」を練習している映像もあるので、団体戦での跳馬の演技も視野に入れてるのかも知れません。