日本と中国の演技を1種目ごとに分けて構成とDスコアを見て行きたいという企画の5回目なので平行棒です。
■日本
#1 加藤凌平選手
 
①Ⅱ:後ろ振り上がり(腕支持)前方屈身宙返り支持(D:ホンマ、ソニック)
②Ⅳ:棒下宙返り1/2ひねり倒立(E)
③Ⅳ:棒下宙返り倒立(D)
④Ⅲ:ベーレ(D:後方車輪から後方かかえ込み2回宙返り腕支持)
⑤Ⅲ:ティッペルト(D:倒立から伸膝で振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き倒立) 
⑥Ⅰ:モリスエ(D:棒上後方かかえ込み2回宙返り腕支持)
⑦Ⅰ:ヒーリー(D:後ろ振り片腕支持1回ひねり支持)
⑧Ⅲ:車輪ライヘルト(D:後方車輪から後方かかえ込み宙返り1/2ひねり腕支持)
⑨Ⅰ:前方開脚5/4宙返り開脚抜き腕支持(D:爆弾カット)
⑩Ⅴ:後方屈身2回宙返り下り(D)
Dスコア:6.6(E1 D9)
Eスコア:8.550
得点:15.150
 
#2 田中佑典選手
  
①Ⅱ:後ろ振り上がり(腕支持)前方屈身宙返り支持(D:ホンマ、ソニック)
②Ⅳ:ヤマムロ(G:棒下宙返り片腕支持3/4ひねり単棒横向き倒立経過、軸手を換えて後ろ振り片腕支持3/4ひねり支持=棒下マクーツ)
③Ⅰ:マクーツ(E:前振り片腕支持3/4ひねり単棒横向き倒立経過、軸手を換えて後ろ振り片腕支持3/4ひねり支持)
④Ⅰ:ヒーリー(D:後ろ振り片腕支持1回ひねり支持)
⑤Ⅳ:棒下宙返り1/2ひねり倒立(E)
⑥Ⅳ:棒下宙返り倒立(D)
⑦Ⅰ:前振り1/2ひねり倒立(C:ツイスト)
⑧Ⅰ:前振り1/4ひねり単棒横向き倒立(D:Dツイスト)
⑨Ⅲ:単棒横向き前方浮腰上がり脚前挙支持経過横向き倒立(C)
⑩Ⅴ:後方屈身2回宙返り下り(D)
Dスコア:6.8(G1 E2 D5 C2)
Eスコア:9.250
得点:16.050
 
#3 内村航平選手
 
①Ⅰ:マクーツ(E:前振り片腕支持3/4ひねり単棒横向き倒立経過、軸手を換えて後ろ振り片腕支持3/4ひねり支持)
②Ⅰ:ヒーリー(D:後ろ振り片腕支持1回ひねり支持)
③Ⅳ:棒下宙返り1/2ひねり倒立(E)
④Ⅳ:棒下宙返り倒立(D)
⑤Ⅲ:屈身ベーレ(E:後方車輪から後方屈身2回宙返り腕支持)
⑥Ⅱ:ハラダ(D:前振り上がり(腕支持)後方かかえ込み宙返り1/2ひねり腕支持=アームライヘルト)
⑦Ⅰ:モリスエ(D:棒上後方かかえ込み2回宙返り腕支持) 
⑧Ⅲ:車輪ライヘルト(D:後方車輪から後方かかえ込み宙返り1/2ひねり腕支持)
⑨Ⅰ:前方開脚5/4宙返り開脚抜き腕支持(D:爆弾カット)
⑩Ⅴ:後方屈身2回宙返り下り(D)
Dスコア:6.8(E3 D7)
Eスコア:8.800
得点:15.600

平行棒の合計Dスコア:20.2(加藤6.6、田中6.8、内村6.8)
平行棒の合計得点:46.800

■中国
#1 尤浩(ヨウ・ハオ)選手

①Ⅰ:屈身モリスエ(E:棒上後方屈身2回宙返り腕支持=ファン・リーピン)
②Ⅱ:ドミトリエンコ(E:前振り上がり(腕支持)後方かかえ込み2回宙返り腕支持=腕支持からのモリスエ=アームモリスエ) 
③Ⅲ:タナカ(F:後方車輪から1/2ひねり前方かかえ込み2回宙返り腕支持) 
○Ⅱ:後ろ振り上がり(腕支持)開脚入れ屈腕支持(A) 
④Ⅳ:棒下宙返り1/2ひねり倒立(E)
⑤Ⅳ:棒下宙返り倒立(D)
⑥Ⅲ:屈身ベーレ(E:後方車輪から後方屈身2回宙返り腕支持)
⑦Ⅲ:バブサー(E:倒立から振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き、伸身かつ水平位で懸垂)
⑧Ⅲ:ティッペルト(D:倒立から伸膝で振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き倒立) 
⑨Ⅰ:ヒーリー(D:後ろ振り片腕支持1回ひねり支持)
⑩Ⅴ:前方かかえ込み2回宙返り1/2ひねり下り(F)
Dスコア:7.4(F2 E5 D3)
Eスコア:8.700
得点:16.100
昨年の世界選手権・種目別平行棒の世界王者の演技からスタートすると思います。
最初の技を「後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持(D:通称ホンマ)」から「屈身モリスエ(E)」にしてDスコアはなんと脅威の7.4で自身が持つ世界最高値を更新。
しかし、ホンマと屈身モリスエならホンマの方が実施減点が少ないのではないかという疑問も残ります。
この0.1がどんな結果をもたらすでしょうか。

#2 林超攀(リン・チャオパン)選手

①Ⅳ:テン・ハイビン(F:棒下宙返り片腕支持1回ひねり倒立=棒下ディアミドフ)
○Ⅲ:後方車輪倒立(C:ケンモツ)
②Ⅱ:ドミトリエンコ(E:前振り上がり(腕支持)後方かかえ込み2回宙返り腕支持=腕支持からのモリスエ=アームモリスエ) 
③Ⅳ:棒下宙返り1/2ひねり倒立(E)
④Ⅳ:棒下宙返り倒立(D)
⑤Ⅲ:車輪ディアミドフ(D:後方車輪片腕支持1回ひねり倒立)
⑥Ⅲ:ベーレ(D:後方車輪から後方かかえ込み2回宙返り腕支持)
⑦Ⅲ:バブサー(E:倒立から振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き、伸身かつ水平位で懸垂)
⑧Ⅲ:ティッペルト(D:倒立から伸膝で振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き倒立)
⑨Ⅰ:ヒーリー(D:後ろ振り片腕支持1回ひねり支持)
⑩Ⅴ:後方屈身2回宙返り下り(D)
Dスコア:7.0(F1 E3 D6)
Eスコア:8.900
得点:15.900
2013年の世界選手権・種目別平行棒の世界王者にして、今年の中国の種目別平行棒の王者でもある林超攀(リン・チャオパン)選手はグループⅡの技を「後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持(D:通称ホンマ)」から「ドミトリエンコ(E)」に変えて、ベーレはかかえ込みに戻してDスコア7.0を維持しました。
こちらもホンマの方が実施減点が少ないのではないかという疑問があります。
ベーレは屈身にしてDスコア7.1の可能性もあると思います。

#3 鄧書弟(デン・シュウディ)選手

○Ⅱ:前振り上がり(腕支持)開脚抜き倒立(B)
①Ⅱ:リー・シャオペン(F:前振り上がり(腕支持)後方屈身2回宙返り腕支持=屈身ドミトリエンコ)
②Ⅲ:タナカ(F:後方車輪から1/2ひねり前方かかえ込み2回宙返り腕支持) 
③Ⅰ:屈身モリスエ(E:棒上後方屈身2回宙返り腕支持=ファン・リーピン)
④Ⅳ:棒下宙返り1/2ひねり倒立(E) 
⑤Ⅳ:棒下宙返り倒立(D)
⑥Ⅲ:屈身ベーレ(E:後方車輪から後方屈身2回宙返り腕支持)
⑦Ⅲ:バブサー(E:倒立から振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き、伸身かつ水平位で懸垂)
⑧Ⅲ:ティッペルト(D:倒立から伸膝で振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き倒立) 
⑨Ⅰ:ヒーリー(D:後ろ振り片腕支持1回ひねり支持)
⑩Ⅴ:後方屈身2回宙返り下り(D)
Dスコア:7.3(F2 E4 D4) 
Eスコア:8.300
得点:15.600
「前方開脚5/4宙返り開脚抜き腕支持(D:通称爆弾カット)」を「タナカ(F:後方車輪から1/2ひねり前方かかえ込み2回宙返り腕支持)」にしてDスコアを0.2上げました。
爆弾カットの軸ぶれが気になっていたので、もしかしたらこの変更は良かったのかも知れません。
ただ2014年の世界選手権・団体決勝ではバブサーでミスが出たように、全種目を演技することがほぼ確実な鄧書弟(デン・シュウディ)選手が7.3の構成を通せるかどうかは、大きなポイントになると思います。

平行棒の合計Dスコア:21.7(尤浩7.4、林超攀7.0、鄧書弟7.3)
平行棒の合計得点:47.600
世界選手権の種目別決勝のメダル獲得経験のある3選手がDスコア7.0を超えるという自他共に認める最強の平行棒の布陣となりました。
夢のような超高難度の構成を通せるのか、腕支持で終わる技を増やしたことがEスコアにどう影響してくるのか、非常に楽しみな種目でもあります。
昨年の世界選手権と同様に中国が素晴らしい演技で通してくれば1点~1.5点程度は追い上げてくると思います。
日本のゆかとあん馬でのリードは、中国のつり輪と平行棒でほぼ取り返されてしまう可能性もあります。